Amazonプライムビデオで映画「世界で一番ゴッホを描いた男」を見ました。
簡単なあらすじを言うと中国の深センの近くに大芬という街があって、そこで20年以上もゴッホの複製画を制作している人のドキュメンタリー映画です。20年経って初めてオランダのアムステルダムへゴッホの原画を美術館に見に行くところまで描かれています。
最初の驚きは深センの近くの大芬という街は油絵の街だということ。日本に油絵の街も、絵の街もないですよね。行ってみたいと思いました。
ここが油絵の街になったのは20年前に香港から絵描きをたくさん連れてきたところから始まったそうです。深センが近いということは香港も近いです。香港から陸路で深センに行ったことはあります。
代表的なゴッホの絵はひまわりや夜のカフェの絵です。これらを20年間ずっと仕事として描いていたそうです。仕事の依頼主はオランダにいるオランダ人です。
最初は「コピー」だとか「ニセモノ」という言葉が思い浮かびました。しかし20年も描いていると技術が上がっていくんです。これは書の臨書と似ているなと思いました。
原画を見ながら描くことでしっかりと技法が身に付いていました。
ここでまた頭の中でぐるぐるまわり始めたのはこんな2つの対比です。
・創造
・模倣
・本物
・偽物
・オリジナル
・コピー
・アート
・デザイン
・芸術家
・職人
「コピーはいけない」という単純なことではないなと思いました。言い方の問題です。臨書はいいイメージがありますが複製はあまりいいイメージがありません。しかしやっていることは似ています。
これは漫画「ブルーピリオド」にはない世界だなと思いました。でもブルーピリオドが好きな人ほど見て欲しいなと思います。
量と質の問題とも言えます。
このバランスが大事なんですよね。
真実に向き合ったとてもいい映画でした。何がいいか答えはないんですが、技術が向上し絵が上手くなることはいいことだと思います。
たどり着くまでに道がいくつもあるんだなと思いました。